2022年4月16日 BizCafeよっかいち
2022年05月18日
■テーマ
「新しい会社の形と理想的な働き方を追求した11年」
開催日 2022年4月16日(土) 10:00~12:30
■講師
株式会社中部システムセンター
代表取締役社長 田中 ユウジ(たなか ゆうじ)氏
■講師プロフィール
大学時代に建築を学び、東京でITベンチャー、大手専門商社、中堅コンサルティングファームで勤務した後、2011年に帰郷。
それまでの経験を活かし、父の会社の変革に取り組む。
労働時間を大幅に減らしながら利益を上げられる体制を構築し、2016年に第1回ホワイト企業アワード西日本大賞、2017年に第2回ホワイト企業アワード労働時間削減部門西日本大賞を受賞。
その後も、オフィスの地域開放、社員の役職の撤廃、より自由な労働環境の整備など、これまでの会社の概念や働き方を大きく変え続けると同時に、そのノウハウをもとに法人向けや個人向けのコンサルティング事業を行う。
現在は、社員のパラレルワーク支援、自律分散型組織の構築、社外人材との協働・協創、サーキュラーエコノミーの実践などに挑戦中。2014年より代表取締役社長。
時代に即した会社の在り方、働き方。
固定概念にとられることなく挑戦し組織のカタチを変えてきた田中氏による実験体をお話しいただきました。
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田中様より事前に、今回は「しゃべり」でいきますとのご連絡が。
参加いただく方が様々なので、当日参加者様の反応を見て話の内容を変えられるように資料はなし!どんなお話が飛び出すのか…楽しみな1時間でした。
小学生の頃から抱いていた想い、幼少期から現在さらに今後の理想像などをたくさんお話しいただきました。
約45年前キャノンの代理店として田中様のお父様が会社を設立。
小学生の時から父の背中を見て育ち、周りからは“社長の子ども”と言われ、両親からは後継ぎの話をされていたそうです。そんな中、お父様は夜遅くまで働き、お母様も仕事の手伝いと子育てで忙しく、「大人って楽しくなさそう」「大変そう」と感じていた子ども時代。
両親からは家業に繋がる学部を進められるも、「楽しそうじゃない」「親が引いたレールに乗りたくない」と建築の道に進むことにした田中様。
大学院まで進むものの、建築の道で自身が成功する未来が見えず「何を言われようが自分の人生」とITベンチャーへ就職しますが、ブラック企業で周りはどんどん辞めていき、田中様も退職。
30歳までに絶対成功する!という漠然とした目標とは裏腹に、東京でフリーターになり自分の人生が見えない日々。両親のもとへ助けを求め、営業スキルを磨くために販売会社で3年修行をするも、やはり成功イメージがつかめず親に隠れて転職活動を始め、東京のコンサルティング会社へ転職。企画提案に携わりここで適職を得ます。
しかし4年間働いた後に、家業の事情により三重県へ戻ることに。
そこで、子ども時代の原体験からの変わらぬ想いの実現に向けて、東京での経験をもとに「理想的な働き方の追求」が始まります。
大人のイメージ、仕事のイメージ、営業を沢山して頭を下げる、残業をたくさんする、バブル時代の働き方、地方って遅れている…。そんなイメージを改善し、自分のやり方に賛同しついてきてくれる仲間や社員がいて、その人たちの幸せを守り地域課題を解決していく事は、大きな人生の目標となると気づきビジョンを定めます。
ITを導入し人事制度を変え組織改革し、さらにビジネスモデルも変え、モノを売ることでの売上の追求ではなく、付加価値のあるサービスをサブスクリプションで提供する事で利益率を追求。労働時間を減らしても利益のでるビジネスへの変革を遂げていきました。
今では耳馴染みのある“働き方改革”も当時はまだ聞かない時代で、もちろんその背景には社長であるお父様や既存のお客様との摩擦も。お父様に頭を下げ社長を引き継ぐも、なかなか周囲との摩擦は解消されません。
犠牲を払う働き方から、生きるための個々の生きがい働きがいを大切にした固定観念にとらわれない働き方の時代が絶対に来る!絶対に間違えていない!それを理解してもらうためにも結果やカタチが必要だと、利益の追求以外に「第1回ホワイト企業アワード西日本大賞」を受賞することで、周囲の理解を得ていきます。
講演前半の田中様が社長になるまでのお話は波乱万丈で、驚きの連続でした。
講演後半は、現在の会社の仕組み、取り組み、ビジョンをたくさんお話しいただきました。
例えば…。
✓役職を無くし、自律分散型の組織に
✓書類などをペーパレス化、空いた場所をシェアスペースにし、オフィス空間をリニューアル
✓社員個人のビジョンを聞く
✓夢を叶える場所として会社を使ってほしい など…。
現在、シェアスペースは無料で一般に公開していて、地元の方や子どもも使用できるコミュニティの場となっているそうです。このような会社、コミュニティが同時多発的に三重県に実現すれば、田舎ならではの人の繋がりが生まれて地方って面白い! 都会とは違った魅力ができるのではないか・・・。
今後も最先端の働き方、社員や地域にとってあるべき会社の姿を追求し、会社、地域社会を変えていくという“人生の目標”“意気込み”をお話しいただきました。
BizCafeよっかいち恒例の交流会では、様々な業種の方とたくさん交流ができます。
今回は幅広い年代の方にご参加いただきました。中にはBizCafeよっかいち参加者最年少の高校1年生の方が起業に興味があると参加!田中様をはじめ、参加者様へもたくさん質問をし、起業に対する考え方などお話しする場面もありました。
他にも、起業し、ぶつかる壁をどう打開していけばと悩まれている方も。
アドバイスをもらうだけでなく、悩みの共有ができたり、異業種からの目線でアドバイスをもらえたり、BizCafeよっかいちの良さがたくさんあった充実した交流会になりました。
BizCafeは “ノウハウ”もありますが、起業の先輩などからの実際の経験談を通じて、同じ起業を目指す方や、いろいろな業種の方、起業を支援する方などの交流の場となることを大事にしています。
いろいろな背景や業種を持つ参加者の中から、もっと詳しく聞いてみたい方、信頼できる相談相手などが見つかるかも。そんな交流がオンラインでもできるよう工夫をしていきます。
次回もお楽しみに。