2022年5月21日 BizCafeよっかいち
2022年06月03日
■テーマ
「人に誠実に 製品に愛を」
~老舗肥料店を支える私の挑戦~
開催日 2022年5月21日(土) 10:00~12:30
■講師
株式会社服部
専務取締役 服部直美(はっとり・なおみ)氏
■講師プロフィール
1977年四日市生まれ。四日市内高校卒業後カーディーラーに就職。その後建設会社に勤める。
エステサロンを経営していた母親のいきいきとした姿をみて、「私も人に喜んでもらう仕事がしたい」と思い立ち、働きながら資格を取得。
共同サロン経営を目指していたところ、家業ある夫と出会い「商売屋に商売を持ってくるな」との義父の言葉もありエステ業界から身を引く。
夫と共にオーダーメイド有機・無機肥料メーカーとして平成18年に株式会社服部設立。平成24年にグループ会社株式会社ROCを設立する。
生産者の「作りたい作物」「なりたい農業経営者」の想いに寄り添った肥料作りを心掛けている。
自身は夫の両親と同居・二人の子育てをしながら事務・総務全般を担っている。
「服部と関わるすべての皆様が幸せになってほしい」と願いお客様に寄り添うことを心掛けている。
近年は顧客である伊勢茶生産者を応援する事業を立ち上げ、現在奮闘中。
三重県主催の三重県女性起業家応援事業 ピッチコンテスト「WELMie」で一般視聴者からの『共感賞』を見事獲得された服部氏。
顧客への細やかで温かな心配りや社内での采配などのバランス感覚、お互いを理解し補い合う連携プレーで、どんなことも「楽しく」そして時にシビアに大胆に…。
地元農家に愛され必要とされる企業のお話をして頂きました。
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服部様は講演やセミナーの登壇は初体験。
1週間前から緊張していた!と伺っていたのですが、緊張していたと思えないほど説得力と魅力あふれる言葉で、服部様の熱い想いをたくさんお話しいただきました。
「”人を大切に想う“それが私の信念です」とおっしゃる服部様。
3つのポイントに絞ってお話しいただいた内容を少しご紹介いたします。
✓私の原点
ご両親からの言葉が今の原点に。
どんなことも相談する関係のお父様からはいつも、笑って「なるようになる、なるようにしかならん」と言われていたそうです。
当初は全然答えになっていないやん!と思っていた服部様。
今振り返ると、「なるようにしかならない」という事は、変えられない事なら流れに乗りなさい、その為には自分の芯をしっかり持ちその流れに飲み込まれないようにするために、「なるようになる」答えが出るまでにかかる時間で自分自身としっかり向き合い冷静になり考えなさいとの教えだったんだと腑に落ちたそうです。
お母様からは「真実は一つ あなたを大切に想ってくれる人を大切にしなさい」との言葉。
自分が間違っていないと思うならそれを貫きなさい。そして必ずあなたを大切にしてくれる人がいるから、その人を大切にしなさいと言われていたそうです。
お話しを伺っていると、
ご両親からの愛情や言葉、それを受け止める服部様の感受性が、今の物事への取り組み方や行動力、人を大切にする想い、前向きなパワーの源になっていると感じます。
✓私の楽しみ方
高校卒業後カーディーラーに就職した服部様は、どんなに地味で、周りが嫌がる仕事でも自分らしくいかに楽しむかを常に考えていたとの事。
例えば…毎日会社で決められた時間にするお茶出し!
誰でも出来る仕事の一つかもしれません。もしかすると「お茶出しなんて…」と思う人もいるかも。
このお茶出しこそ「これは皆に近づける、相手を知る事ができるチャンス!」と捉え、"プロ"になってやろう!と、種類によって違う美味しいコーヒーの淹れ方を日々研究し、好みを細かく把握して全てリストにします。
服部様らしく楽しみながらお茶出しを通して周囲と向き合っていたところ、仕事ぶりを認めてもらい自然とコミュニケーションが生まれ、職場の雰囲気も良くなったとのこと。
なんと"車苦手""車の知識がない"事務職である服部様が営業の同僚のサポートもあり、月に数台車が売れるまでに!
それはお茶出し効果で、困った時に手を差し伸べてもらえる同僚との関係性を築いてきた服部様ならではのエピソード。
そして、店の売り上げも上がるという好循環!
✓私の挑戦
その後建設会社に転職しそこで家業ある旦那様と出会い結婚。
現在は株式会社服部が作るオーダーメイド肥料を使用している顧客である伊勢茶生産者を応援したい!と、より多くの人に伊勢茶を手に取り良さを知っもらえるよう、生産者などに交渉し自社プロデュースの伊勢茶Tea bagなどを作成したり、
生産者が直接消費者と触れ合い、様々なコラボレーションができるようスタジオキッチンを開設したり、服部様自らマルシェに立つなどの活動で伊勢茶をPRされています。
あれっ?お茶屋さん?と思われがちだけと、株式会社服部はあくまでも肥料屋。
「だからうちは肥料が売れればいいんです、そこに辿り着くための付加サービスのひとつとしての活動」伊勢茶PRで利益を得るつもりはないと言う服部様。
そこには原点であるご両親の言葉があり、自社肥料への愛、お客様やその生産物への愛があり、みんながhappyになる循環が生まれるよう、自分ができる事を与えられるようにと現在の伊勢茶応援事業へと繋がっているようです。
声を掛けられたことにはONを言わないスタイルで、三重女性起業家ピッチコンテストWEL Mieや、どんな仕事でも全力で服部様らしく挑戦し取り組んでいるようです。
他にも、たくさんの服部様の原点のお話や、カーディーラーから転職した建設会社でのエピソードなど、盛りだくさんの講演でした。
なんといっても、優しい雰囲気の服部様からの、仕事、人に対する熱い信念、想いがすごく伝わってきました。
BizCafeよっかいち恒例の交流会では、起業をして新規事業に挑戦したい方や、起業したいけど何から始めたらいいか分からない方、服部様と繋がりたい方など業種様々な方にご参加いただき、とても充実した話の尽きない交流会となりました。
今回のBizCafeよっかいちより、交流会の時間帯に三重県産業支援センター 三重県よろず支援拠点による相談ブースを設置いたしました。
起業に関する様々な相談を受けて頂けます。
BizCafeは “ノウハウ”もありますが、起業の先輩などからの実際の経験談を通じて、同じ起業を目指す方や、いろいろな業種の方、起業を支援する方などの交流の場となることを大事にしています。
いろいろな背景や業種を持つ参加者の中から、もっと詳しく聞いてみたい方、信頼できる相談相手などが見つかるかも。そんな交流がオンラインでもできるよう工夫をしていきます。
次回もお楽しみに。